Q. 情報収集のときのポイントはありますか?
病気や治療のことは主治医、お薬のことは薬剤師、日常生活のポイントは看護師に尋ねるとよいでしょう。最近はインターネットでたくさんの情報が集められますが、正しい情報かどうかを見極める目をもつことが大切です。情報提供元は信頼のおけるところなのか気にしながら情報を集めましょう。また、結節性硬化症という病気は人によって症状の出方や程度、あらわれる時期が違うということを頭において情報を集めることが大切です。
Q. 誰に相談したらよいですか?
病気のことは主治医に、日常生活のポイントや困っていることなどは看護師や病院のソーシャルワーカーに、福祉などの制度については保健師に相談してください。そのほか、同じ病気をもつ患者さんの会などに参加すると、同じ病気の方でも個人差があるということがわかったり、先輩方のいろいろな経験を聞くことができます。
Q. 病院選びのポイントはありますか?
まずは診断を受けた医療機関で定期的に診察を受けるとよいと考えられます。結節性硬化症の専門医がいる医療機関であることが望ましいですが、結節性硬化症の専門医の数は少ないため、家の近くの病院の小児神経科で診療を受けるほうが、定期的に通院したり何かあったときに相談するときに負担が少ない場合もありますので、先生とも相談してみてください。とくに、てんかんのコントロールは、通院に負担のかからないことも大切です。
Q. 主治医と話をするときのポイントはありますか?
受診の際には、聞きたいことや伝えたいことを事前にメモにまとめてもっていくとよいでしょう。また、主治医と話をするときにメモをとったり、自分の言葉に置き換えて確認したりするとよいでしょう。わからないときには、別の言葉・表現で説明してもらうなど、お願いするのもよいと考えられます。自宅でのてんかん発作のようすを主治医に見せたいときには、発作がおきているときに携帯電話などで動画を撮っておいて、診察のときに見せるとよいでしょう。
Q. 病気とつきあっていくときの心構えはありますか?
「生涯にわたって病気とつきあっていく」という心構えをもつことが大切です。継続的な定期検査が患者さん自身を守ることにつながります。また、病気は患者自身のことです。親はサポート役であることを心の片隅に置いておきましょう。
何の症状もない場合でも、定期検査は必要です。病院とのかかわりを断たないようにしましょう。
Q. 学校に病気のことを伝えるべきですか?
てんかん発作があってお薬で発作をコントロールしている場合には、学校に伝える必要があります。結節性硬化症と診断されていても、症状がほとんど出ていないのであれば、学校に伝える義務はありません。学校の先生に伝えておくことで、安全に配慮してもらえたり、サポートを受けられるなど、患者さん自身のメリットになると思われる場合に伝えるのがよいと考えられます。
Q. 本人に病気のことを話すタイミングは、いつがよいでしょうか?
患者さん一人ひとりの成長や発達の程度で、病気のことを話すタイミングがいつがよいかは異なります。医療スタッフ間でよくいわれることとしては、自分が他者とは違うことが「患児にはわかる(周りの反応でわかってしまう)」ので、患児本人から、病気のことを尋ねられたら、「嘘をつかない」「ごまかさない」で、正直に病気のことを伝えるのがよいとされています。また話をする際には、子どもの場合には、「患児の言葉で話す」ことがポイントですので、相手に合わせて話をすることが大切です。血管線維腫の治療をするかどうか、などについても、患者さん本人が治療を受けるかどうかを決める、もしくは一緒に考えることが望ましいと考えられます。
Q. 結節性硬化症の患者のきょうだいは、結節性硬化症を発症しますか?
きょうだいが子どもを産むときに結節性硬化症の子どもが生まれる可能性は高いですか?
はっきりした確率はわかりませんが、一部の家族性の場合には、きょうだいも結節性硬化症と診断される場合があります。発症の仕方は、まちまちです。
結節性硬化症ではないきょうだいが、子どもを産むときに結節性硬化症の子どもが産まれる可能性は、一般の方が子どもを産む場合とまったく同じ確率です。
Q. てんかんとどうやってつきあっていけばよいですか?
てんかんは、お薬でコントロール可能なケースが多いです。学校に行くまでに、朝夕 2 回の服薬でてんかん発作をコントロールできるようにすると、学校での薬の飲み忘れが問題にはならないので、学校生活を送りやすくなると考えられます。
Q. 顔のボツボツ(顔の血管線維腫など)は、早く取ったほうがよいですか?
本人が気にしなければ、ようすをみましょう。大きさや形状により、対処法を選べます。相談できる皮膚科をもちましょう。触ったり、汚れがたまると大きくなる傾向があり、丁寧な洗顔を心がけることも大切です。
Q. 知的な遅れや自閉症とどうやってつきあっていけばよいですか?
知的な遅れや自閉症が出はじめたら、その初期から療育をおこなっていくことが大切です。療育とは、専門のセンターなどでおこなうものだけではなく、家庭での日々の生活の中でおこなっていく療育的な関わりも指します。子ども一人ひとりの発達に応じて、どのようなことをおこなっていくのがよいか個別に検討していくことで、的確な療育をおこなうことができますので、身近な医療関係者に相談してみてください。
Q. 医療補助制度などを利用する際には、その補助の内容や仕組み、手続きなどを、誰に相談するとよいのでしょうか?
福祉関係、公的な医療補助に関することは、保健所の保健師に相談するとよいでしょう。例えば、小児慢性特定疾患の受付窓口は保健所のため、お世話になる機会があると思います。その方に色々と相談してみてください。また、病院ではソーシャルワーカーに相談するのも一つの方法です。