再生不良性貧血の治療には、「造血の回復を目指した治療」と「症状の改善を目指した治療」があります。
造血の回復を目指した治療
免疫抑制療法
異常になった免疫から造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)を守り、造血を回復させる治療です。
・カルシニューリン阻害薬
T細胞の働きを弱め、T細胞の攻撃から造血幹細胞を守る働きをする薬です。
・抗胸腺細胞免疫グロブリン : ATG(エーティージー)
抗胸腺(こうきょうせん)細胞免疫グロブリン : ATGは、T細胞を攻撃して破壊する薬です。
造血幹細胞移植[骨髄(こつずい)移植]
強力な治療でリンパ球や血液細胞を壊したあと、正常な造血幹細胞を移植して造血を回復させる治療です。
たんぱく同化ステロイド
造血の回復を促す薬です。
トロンボポエチン受容体作動薬
造血幹細胞に発現しているトロンボポエチン受容体を刺激して、造血幹細胞からできる血液細胞を増やす薬です。
症状の改善を目指した治療(支持療法)
輸血療法
不足した赤血球や血小板を輸血で補充する治療です。
頻回の赤血球輸血により“鉄過剰症”という状態になると、鉄キレート剤による治療を行う場合があります。
サイトカイン療法:G-CSF(ジーシーエスエフ)
もともと身体のなかで血液細胞の産生を促している「サイトカイン」を薬として体外から投与し、不足した血液細胞(好中球)を増やそうとする治療です。
症状や重症度に応じて、無治療で様子を見る場合や、支持療法のみを行う場合もあります。
この他、未承認の薬を使う場合や、新しい治療法を研究するための「臨床試験」への参加をお勧めする場合があります。
その際には、他の治療法との違いや長所・短所などについて十分に説明を受け、治療法を決めてください。