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乳がんの情報サイト

監修:
聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌外科
津川 浩一郎 先生

治療の副作用はメンタル面にも影響します

治療の副作用はメンタル面にも影響します

 患者さんが気になる副作用の1つに、薬による脱毛があります。容姿の変化は患者さんにとって深刻なことが多く、精神的に大きな痛みとなります。脱毛だけではなく、治療によって表れる副作用には個人差があり、思いもよらない症状が出る場合もあります。
 そんな治療生活の中で、患者さんの気持ちも変化します。病気のことを忘れて楽しく過ごせる日もあれば、急に気持ちが落ち込む日もあるでしょう。いったん病気のことを受け入れられても、再び耐えがたい思いに襲われたりするものなのです。身体の不調を感じながら気持ちは上向きになることもあります。理屈では説明できない心の変化が起こるなど、見ただけではわからない副作用があることも知っておきましょう。
 患者さんの変化を理解するためには、日々のコミュニケーションが大切です。何気ない日常会話から患者さんのその時々の状態がわかることもあります。日頃から積極的に会話することを習慣化することで、ちょっとした患者さんの変化にも気づきやすくなるでしょう。

患者さんの思いに寄り添うことが大切

 病気と向き合う患者さんを前に、何かして力になりたいと考えるのは、ごく自然なことです。そして、何をしたら良いのかわからないと思うのも当然でしょう。患者さんを支えるためには、患者さんの気持ちや考えに寄り添うことが第一となります。
 すぐにできることは、患者さんの声に耳を傾けることです。「そんな簡単なこと?」と思うかもしれませんが、患者さんの不安への対処方法でも、誰かと話す・相談することが上位となっています。患者さんの“話したい気持ち”を受けとめられるように“聞き役に徹する”ことを心がけてみましょう。患者さんの話に耳を傾けることで、その時どきに患者さんが必要としているサポートも見えてくるでしょう。
 話を聞くときのポイントは、答えを用意しないことです。何かしたいという気持ちから、よいアドバイスや意見を言う必要があると思いがちですが、自分の気持ちや考えをいったん白紙の状態にして患者さんの話に聞き入ります。そして、患者さんの話に共感することです。もしかしたら患者さんがしてほしいこと、助けてほしいことと、あなたの考えが異なる場合もあるかもしれません。説得や説教をするのではなく、一緒に答えを探す気持ちでいることが大切です。

グラフ:不安への対処方法は?

※「転移性乳がん患者 実態調査」より