日常生活での注意点
1. 服薬日誌を付けましょう。
服薬の状況や体の状態、気づいたことをメモしておき、次回の診察時に主治医に見せましょう。現在服用しているお薬の効果や副作用などを判断し、その後の治療方針を考えるためにもとても役立ちます。
2. 他の病気で病院にかかる場合、悪性軟部腫瘍の治療を受けていることを伝えましょう。
他の診療科などを受診する際には、現在、悪性軟部腫瘍の治療を行っていること、また服用しているお薬について必ず伝えましょう。また、市販のお薬を服用する場合も事前に主治医に相談しましょう。
副作用について
副作用のあらわれ方は、服用しているお薬によって異なるだけでなく、同じお薬でも人によって異なります。症状が出た時には早い段階で気づけるように、どのような副作用が出る可能性があるかを知っておきましょう。
抗がん剤の服用中には、以下のような症状があらわれることがあります。
頭痛、めまい、ふらつき、血圧が高い(高血圧)
悪性軟部腫瘍の治療に使うお薬の中には、副作用として、血圧に影響を与えるものもあります。治療中は、毎日欠かさずに血圧を測定する習慣をつけるとともに、このような症状が続く場合は主治医に相談してください。
日常生活のポイント
- 血圧は毎日同じ時間に測定し、記録しましょう。
- 血圧を下げるお薬が出ている場合、飲み忘れないように注意してください。
吐き気、嘔吐、食欲不振
抗がん剤の中には胃の機能に影響を及ぼし、吐き気や食欲不振などを起こすものがあります。吐き気や嘔吐が激しくおさまらない場合や、食欲がなくて食事をほとんど取れない場合には、主治医に相談してください。
日常生活のポイント
- 口当たりのよいもの、好みの食べ物を少量ずつ食べるようにしましょう。
- 脂っこい食品や香りの強い食品を避けましょう。
- 体を締め付ける衣服を避けるようにしましょう。
下痢、おなかの痛み
抗がん剤の中には腸の機能に影響を及ぼし、下痢などを起こすものがあります。主治医から下痢止めを処方されている場合はお薬を服用してください。下痢止めを飲んでも症状がおさまらない場合や、便に血が混じるような場合は、主治医に相談してください。
日常生活のポイント
- 水分をこまめにとるようにしましょう。
- 食事は消化しやすいように少量ずつ、ゆっくり食べるようにしましょう。
- 脂っこい食品、食物繊維の多い食品、刺激が強い食品を避けましょう。
- 牛乳や乳製品は控えましょう。
- アルコールやカフェインが入った食品は避けるようにしましょう。
発熱する
抗がん剤による治療を行っているときは、感染症の原因となる菌を排除する機能がおとろえる場合があります。
日常生活のポイント
- 人混みを避け、外出時はマスクを着用しましょう。
- 食事の前や外出後には、手洗い、うがいを行いましょう。
疲労感、だるさ
抗がん剤による治療を行っているときは、疲労感やだるさを感じることがあります。
日常生活のポイント
- 十分な睡眠をとり、長時間活動するときは休憩を入れましょう。
- 動作をゆっくり行いましょう。
- 疲れたら無理をせず、横になって休みましょう。
出血しやすい、血がとまりにくい
抗がん剤によって、止血する作用のある物質が減少することがあります。出血頻度が多い場合には主治医に相談しましょう。
日常生活のポイント
- 歯ブラシはやわらかいものを使ってゆっくり行い、歯ぐきを傷つけないようにしましょう。
- 鼻をかむ場合や排便時には、力みすぎないようにしましょう。
- はげしい動作を避け、ケガをしないように注意しましょう。
髪や皮膚、爪に変化がみられる
抗がん剤の服用中に髪の色が変わったり、抜けたり、発疹が出たりすることがあります。髪や皮膚、爪などにいつもと違う変化があらわれたら、がまんせずに主治医や看護師などに相談してください。
日常生活のポイント
- 皮膚の乾燥や発疹には保湿クリームが有効です。アルコールの入っていないタイプ(ワセリンなど)を選びましょう。
- 直接肌にふれる衣服は、化学繊維やウールなどの素材を避けましょう。
- 刺激の強い石けんやボディーソープは使わないようにしましょう。
- 日焼けは避けましょう。
その他にも次のような症状があらわれることがあります。
- 動悸がはげしい、息ぐるしい
- 口内炎ができる
- 手足や顔がむくむ
上記のような症状があらわれたり、普段と違って気になることがあったら、早めに主治医に相談しましょう。