子宮肉腫とは
子宮にできる悪性の腫瘍には、がんの他に肉腫があり、子宮肉腫と呼ばれます。子宮肉腫の大部分は奥の子宮体部に発生します。また、悪性腫瘍のなかでもまれな病気で、子宮体部にできる悪性腫瘍の8%程度です[1]。
子宮肉腫には、大きく分けて子宮平滑筋肉腫、子宮内膜間質肉腫、癌肉腫、腺肉腫がありますが、これらは腫瘍細胞が発生する場所や腫瘍組織の状態などが大きく異なります。背景が異なることから、それぞれの病気によって、病気の経過やどの程度進行しているかをあらわす進行期分類、治療方法も異なります。
なお、組織分類では、間葉系腫瘍として子宮平滑筋肉腫と子宮内膜間質肉腫、上皮性・間葉性混合腫瘍として癌肉腫、腺肉腫に分類されています※。また、癌肉腫は子宮肉腫の進行期分類ではなく、子宮体癌と同じものを使用し、治療も子宮体癌に準じて行われます。
※日本産科婦人科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会・日本放射線腫瘍学会 (編): 子宮体癌取扱い規約 第3版. 金原出版 (2012)より
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Brooks SE., et al.: Gynecol Oncol 93, 204-208 (2004)