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乳がんの情報サイト

監修:
聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌外科
津川 浩一郎 先生

大切な人には自分を理解してほしいけどコミュニケーションは難しい。でも思いきって気持ちを打ち明けたら、うれしい言葉も。たまには、誰かに頼るのも悪くない。

ひとりではないと気がついて

 自分の心の整理ができたら、周囲の身近な存在に目を向けて頼ってみることも考えてみましょう。あなたは、ご家族やパートナー、親しい友だちなどに迷惑をかけたくないと思うかもしれません。実際、再発・転移された方の半数は「心配させたくないから」と、周囲につらさを伝えていませんでした(下図)。
 でも、あなたの大切な人たちは、少しでもあなたの力になりたいと望んでいることを忘れないでください。親しい人であれば、何も伝えられないより、甘えてもらった方がうれしいこともあるのです。もしかしたら、大切な人たちが治療に期待することは、あなたの治療に対する思いとは異なるかもしれません。だからこそお互いの気持ちを理解する必要がありますし、そのためにもあなたの気持ちを伝えることが大切なのです。もちろん、伝えたくないことを無理して話す必要はありません。しかし、つらさや思いは、言わなければ分からないものです。できる限り考えや思いを言葉にして伝えましょう。心配ごとや問題の内容に応じて話す相手を選んでみると、心の重荷を少しずつ減らせるかもしれません。周囲に甘えたり弱音をはくときがあってもよいのですから。

グラフ:周囲の人に不安やつらさを伝えることはありますか? 伝えていない理由はなんですか?

グラフ:「転移性乳がん患者 実態調査」より
(ノバルティス ファーマ株式会社 2014年6月実査)

医療者とのコミュニケーションも大切

 患者さんを支えたいという思いがあるのは医療者も同じです。あなたの思いに沿った、よりよい治療を受けるためにも、医療者とはお互いに正確な情報や、あなたの大切にしたいことを共有することが大切です。
 医療者が身体の状態や治療法などをわかりやすく説明しなければならないように、あなたも自分の状況や困っていることを伝える必要があります。そのためには、日常の予定や価値観、お金の心配などプライベートなことまで説明する必要も出てくるかもしれません。身体の不調など自覚症状と同じように、実際に困っていることや心配なことも、あなたにしかわからないのです。
 思いを伝えるのは簡単なことではありませんが、時間をかけて話し合うことで、お互いの言うことが重なりあって理解につながったり、誤解に気づいたりできるものです。主治医には話しにくいと感じる場合は、看護師に相談したり、がん相談支援センターを活用するのもよいでしょう。

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