「根治は望めない」「治癒できない」なんて、やっぱりショック。いろいろ説明されても、正解がわからなくて不安が押しよせる。何から考えたらよいの?
納得して選択するためのセカンドオピニオン
セカンドオピニオンという言葉は知っていても、いざというときに躊躇してしまうようです。セカンドオピニオンは、医師や病院を替えることが目的ではありません。最善と思える治療方法を決めるためであり、主治医にとっても別の医師の意見が助けになる場合もあります。日進月歩の新しい情報や選択肢を得て、それを主治医と共有しながら一緒に治療方法を検討し、選択していくのです。セカンドオピニオンを受けるには、主治医に意思を伝え、受診する病院を決めます。最近は「セカンドオピニオン外来」のある病院が増えてきましたが、選ぶのに困ったり、主治医に言い出しにくいときには、がん相談支援センターを活用するとよいでしょう。
最大のポイントは目的を明確にすることです。何を確認したいのか、聞いてみたいことなどをまとめておくと、病院を選ぶ際にも役立ちます。そのためには、主治医の意見「ファーストオピニオン」を十分に理解し、治療法を勉強することも必要です。セカンドオピニオン外来は基本的に自費診療で、料金は病院によって異なります。また、紹介状など診療情報を提供してもらうのに料金がかかる場合がありますので、費用についても事前に調べましょう。
臨床試験に参加するのも選択の1つ
新しい薬が次々と承認され、治療方法が増えていく中で、タイミングによっては臨床試験に参加することも選択肢として考えることができます。新しい薬の候補(承認を受ける前の薬)が安全で効果があるかどうかを科学的に確かめ、厚生労働省の承認を得るための「治験」は薬代がかかりません。
参加条件にあてはまれば、効果が期待される治療を整った環境で受けられることは最大のメリットといえます。しかし、有効性と安全性が定まっていないため、効果が得られなかったり、強い副作用が表れる可能性もあります。治験の情報は、国立がん研究センターがん対策情報センターの「がん情報サービス」に詳しくまとめられています。
緩和ケアには「まだ早い」という誤解
グラフ:「転移性乳がん患者 実態調査」より
(ノバルティス ファーマ株式会社 2014年6月実査)