骨髄線維症の検査には、血液検査の他、血液形態検査、骨髄検査、画像検査、遺伝子検査などがあります。
血液検査
骨髄線維症の診断や進行度を評価するための検査で、血液を採取して、貧血の状態(赤血球数など)、白血球数、血小板数、骨髄線維症に特徴的な細胞の出現状況などを調べます。また、骨髄線維症では、血液中のLDHという組織の障害の程度を表わす酵素の値が異常に高くなります。
血液形態検査
診断時に行われる検査で、採取した血液をスライドガラスに薄く塗り、色素で染色した後に顕微鏡で血液細胞の形態を観察します。骨髄線維症では、涙型に変形した赤血球や巨大化した血小板など、異常な血液細胞が観察されます。
骨髄線維症の血液標本
骨髄検査
骨髄線維症の診断には大変重要な検査で、骨髄に注射針を刺して造血幹細胞を含む骨髄液を吸引し、顕微鏡で血液細胞に成長する過程にある若い細胞の成熟度や異常の有無を確認します。
骨髄線維症では、骨髄が線維化して固くなり、骨髄液が吸引できないことがほとんどです。その場合には、骨髄の組織を採取して、顕微鏡で線維化の状態、特定の細胞の増殖や変形の有無を確認します。
骨髄液の吸引方法
骨髄組織(鍍銀染色:とぎんせんしょく)
画像検査
骨髄線維症の診断や進行度の評価を目的に行われます。
骨髄の線維化が進むと、骨髄の代わりに造血を行う脾臓や肝臓が腫れて大きくなるため、腹部の画像検査(エコー、CT、MRI)で確認します。
また、全身のどの部位の骨髄で造血されているか、骨髄以外で造血されているかを確認する検査(骨髄シンチグラム、PET)が行われる場合もあります。
腹部CT
遺伝子検査
骨髄線維症の診断では、採取した血液を用いて遺伝子検査が行われる場合があります。骨髄線維症の患者さんの約半数で、JAK2という遺伝子に異常が認められていますので、JAK2遺伝子に異常があるかを調べます。