本態性血小板血症における血小板の過剰な増加により、心筋梗塞や脳卒中といった命に危険を及ぼす重大な合併症、出血性症状を発症する場合があります。
また、本態性血小板血症に長期間かかっている患者さんの一部で、骨髄線維症や白血病などに移行する場合があります。
心筋梗塞・脳卒中
本態性血小板血症では血栓が形成されやすくなっているため、血栓が大血管を詰まらせることで、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことがあります。心筋梗塞や脳卒中は命に危険を及ぼす重大な合併症です。
出血性症状
本態性血小板血症では異常がみられる血小板が著しく増えてしまうため、本来、出血を止める役割である血小板がうまく機能することができなくなります。
骨髄線維症
原因はわかっていませんが、本態性血小板血症に長期間かかっている患者さんの一部で、骨髄線維症に移行する場合があります。
骨髄線維症とは、骨髄内に線維質のコラーゲンができて骨髄が固くなり、骨髄の本来の働きである正常な血液を造ることができなくなる病気です。骨髄の線維化が進むにつれて、貧血(ふらつきなど)の症状や腹部の症状(おなかの張り・不快感など)がみられるようになり、さらに進行すると、重篤な感染症や出血・白血病などの合併症が起こることがあります。
白血病
骨髄線維症と同様に、患者さんの一部で白血病に移行する場合があります。
白血病は、白血球に成長するはずであった若い血液細胞が、成熟する途中でがん化することにより発症し、骨髄内で、がん化した細胞がさらに増殖するために正常な血液を造る場所が少なくなります。そのため、正常な血液細胞が不足し、感染症、貧血、出血などがよくみられるとされています。