「神経内分泌腫瘍」は、神経内分泌細胞からできる腫瘍です。WHO分類という腫瘍の分類法により、膵や消化管の神経内分泌腫瘍全体を英語ではNEN(Neuroendocrine Neoplasm)と総称するようになりました。NENは、腫瘍細胞の性質などにより、比較的悪性度が低い高分化型の神経内分泌腫瘍(NET:Neuroendocrine Tumor)と、悪性度が高く低分化型の神経内分泌がん(NEC:Neuroendocrine Carcinoma)、それに加えて、NETもしくはNECとその他のがん細胞が混在しているMiNEN(Mixed Neuroendocrine -non-neuroendocrine Neoplasm)の3つに分類されます。
さらに、神経内分泌腫瘍(NET)は、腫瘍から過剰に分泌されるホルモンが人体に強い影響を与えて、異常な症状が出る機能性NETと症状のない非機能性NETに分けられます。
また、肺の神経内分泌腫瘍の分類では、膵・消化管神経内分泌腫瘍とは異なる分類法が使用されています。
図1
図2:名称の変遷
1907年 | Oberndorferにより、“カルチノイド”と命名される |
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1980年 | 膵の腫瘍が、Islet cell tumour(膵ラ島腫瘍)とPoorly differentiated endocrine carcinoma(低分化型内分泌癌)に分類される |
2000/2004年 | 膵・消化管の腫瘍が、高分化型内分泌腫瘍・癌(WDET/WDEC)と低分化型内分泌癌(PDEC)に分類される |
2010年 | 膵・消化管の腫瘍が、NET G1/G2とNECに分類される |
2017年 | 膵の腫瘍を総称してNENと呼び、NET G1/G2/G3とNEC・MiNENに分類される |
2019年 | 消化器についても膵と同様に、消化器の腫瘍を総称してNENと呼び、NET G1/G2/G3とNEC・MiNENに分類される |
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