私のフキダシたいこと
Nさん
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フキダシプロジェクト CML患者さんの希望をフキダシに。
Nさん
主治医の先生と二人三脚で、積極的に自分のことを伝えながらCML治療を2年半続けてきたNさん。診断されたときには、CMLを発症する確率の低さに10万人収容可能なサッカースタジアムをイメージして衝撃を受けたそうです。これからもお仕事にまい進しながら、趣味を楽しみたいという思いをフキダシてくれました。
Nさん(70歳代)
CML発症後年数:2年半
(2024年10月取材)
CMLと診断されたのは、今から2年半前です。かかりつけのクリニックで3ヵ月に1回の頻度で血液検査を受けていました。あるとき白血球が多いという連絡をもらい、大学病院で精密検査をすることになり、診断のため骨髄検査を行うことになりました。大学病院の受診を予約して、検査を行うまでの期間は約2週間でした。
検査結果を待つ間は、白血球の多い病気というのはどういう病気が考えられるだろうと、自分でもインターネットなどで調べてみました。自覚症状はなかったですが、CMLではないかとおおよその見当をつけて結果を待っていたところ、予想が的中してしまいました。結果がわかるまでは、いろいろと自分なりに考えを巡らせていたので不安はずいぶんとありました。
ある程度予想はしていましたが、実際に外来で先生から「白血病」という言葉を聞いたときには動揺しました。なぜCMLを発症してしまったのか、原因はわからないと先生から伝えられました。10万人に1人いるか、いないかという病気だという説明がありましたが、その確率というのはなかなかイメージできなかったです。10万人収容できるサッカーのスタジアムが満員になっている映像をテレビで見たことがありますが、そのなかの1人にも満たない確率なんだ、と感じたのを覚えています。そのことを考えたときには衝撃を受け、なぜ自分がそんな病気になってしまったのかと感じました。
先生からは、多くのCML患者さんは治療により、長く充実した人生を送れる可能性があるというお話があり、少し気持ちは楽になりました。ただ、治療するために入院が必要なのか、仕事は続けられるのかということが一番気になりました。「治療は通院で続けられますが、副作用の問題があるのでその点に注意しながら進めていきましょう」と先生からは説明を受けました。
CMLに関する知識はまったくなかったので、治療の進め方については専門家である先生を信頼してお任せしました。治療を始めたばかりの頃は副作用のことが気になり、少し神経質になっていました。薬を飲み始めて1年半が経つぐらいまでは微妙な体調の変化など、気になることはなるべく自分から先生に伝えるようにしていました。患者としては先生を頼るしかないですし、副作用かどうかは自分では判断がつかないので、とにかくできるだけ尋ねるようにしました。今、思い返してみると、こういうときにフキダシリーフがあったなら、具体的に書き出すことで自分の考えや思いをさらに伝えやすくなったかもしれないと思います。
それから、僕はもともと循環器系の持病を抱えているので、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などのリスクについても事前に説明があり心配になりました。先生が少し先読みして循環器系の診察も並行しながら治療を進めてくれているので、今のところ問題なく過ごせています。
また、僕の仕事は不規則な働き方なので、当初は毎日決まった時間に薬を飲まなければならない治療と、仕事とを並行できるのかを心配していました。実際に治療をしていくなかで、これだったら大丈夫そうだなと少しずつ自信が持てるようになりました。実は、治療を始めてから1年が経つぐらいまでは、家族以外にはCMLになったことは伝えていなかったんです。治療と仕事を両立できることに自信が持てるようになってからは、親しい仲間にはCMLのことを少しずつ伝えられるようになりました。深刻な話にはしたくないので、「10万人に1人しかかからない病気だけど、こんなふうに治療ができていて、俺はラッキーなんだよ」と半分笑い話のように話しています。
おかげさまで、薬が合っていたのか大きな副作用を経験することもなく、治療は順調です。検査結果の数値も徐々に改善されているのですが、確実に病気から回復しているという実証のようなものに感じられて、最近では数値を見るのが楽しみになってきました。
今は、3ヵ月に1回の頻度で通院しています。僕自身は先生とコミュニケーションがとりづらいと感じたことはありません。先生も忙しいでしょうから、僕も必要だと思うこと以外はあまり話さないようにしています。ただ、身体のことに関してはできるだけ自分から伝えるようにはしています。そんな僕ですが、特別な夢や希望のようなものはありませんが…(笑)、身体を動かすことが好きなので山登りを続けたいということと、いつまでも好きなお酒が飲めればいいなということをフキダシに書いて伝えます。普段の診察でこんな話はできないですが、仕事を続けたいという思いもあります。
患者さんのなかには、先生とは話ができる関係性であっても、僕のように先生の時間を気にして余計なことは話せないと感じる方も少なくないと思います。CMLの治療をするにあたって自分が大切にしたいことなどを伝えられていない、という方もいるかと思います。特に、そういった方はフキダシに自分の思いが自由に書けるフキダシリーフを活用してみると良いかもしれません。
また、治療を始めたばかりの頃は、副作用に関する不安が大半を占めると思いますが、具体的に伝えられるフキダシリーフの「今のわたしを伝えるチェックリスト」が役立つと思います。チェックリストの項目には当てはまらないこともあると思いますが、その場合もフキダシなら自由に表現して伝えることができます。ぜひ、みなさんも自分の思いをフキダシリーフに書いて先生に伝えてみてください!