私のフキダシたいこと
小島 純子 さん
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フキダシプロジェクト CML患者さんの希望をフキダシに。
小島 純子 さん
趣味の屋内ビーチボールバレーを楽しみながら、診断前からこれまでのエピソードを明るく話してくれた小島さん。初めてCMLかもしれないとわかったときから、ご自分でも不思議なくらい病気に対する不安や恐怖を感じたことがないそうです。周囲を思いやるやさしさと、エネルギッシュなバイタリティを兼ね備えた小島さんらしい思いをフキダシていただきました。
小島純子さん(60歳代)
CML発症後年数:1年2ヵ月
(2024年11月取材)
CMLと診断されたのは、1年2ヵ月前です。人間ドックがきっかけで大学病院を受診することになり、はじめて受診した日に先生から「CMLでしょう」というお話がありました。あと何年生きられるかという状況ではなく、薬による治療でコントロールできる病気だと聞いたので、思ったほどショックは受けませんでした。
若いころは、自分ががんになったときに病気のことを告知されるのは絶対いやだと思っていましたが、いざとなると突然のことで驚く暇もありませんでした。「白血病」について、わからないことは多かったです。でも、知人に同じような病気をもつ方がいたのでまったくの無知というわけではなく、先生の表情からも危機感のようなものを感じなかったので、素直に病気のことを受け入れられたのだと思います。
診断が確定するまでは何度も血液検査があり、骨髄検査も受けました。実際に治療が開始されたのは、はじめて受診した日から1ヵ月ほど経ってからです。
1つ目の薬を飲みはじめると、1ヵ月で体重が4kgほど落ちました。不安や恐怖などの精神的なストレスによるものではなく、副作用によるものだと思います。副作用については先生から事前に説明があり理解していたので仕方がないものだと受け止めていました。具体的な副作用症状を先生にお伝えしたときには、毎日の体温、血圧、体重を測るように言われました。先生と相談しながら治療を続けましたが、2~3ヵ月ほどで次の薬へ切り替えになりました。今は特に支障なく、2つ目の薬で治療できています。
治療をはじめたばかりの頃は、2~3週間に1回の頻度で通院していました。当初は白血球数が20万を超えていたのですが、1万以下になってからは1ヵ月に1回の通院頻度になりました。今では白血球数が正常値レベルまで改善しているので、3ヵ月に1回の頻度で通院しています。年齢的に忘れてしまうこともあるので、先生に聞きたいことがあるときは必ずメモして次の通院時に持参するようにしています。診察に付き添ってもらうことはありませんが、家族は私のことをよく気遣ってくれています。「大丈夫だよ。」と伝えているので、心配そうな顔はいっさい見せません。むしろ「本当に病気なの?」という顔をしています(笑)。
病気のことを誰にも言わずに隠し通すつもりはなく、友人たちにも伝えています。打ち明けたときには私よりもショックを受けていたので、「大丈夫、元気だから。病人扱いはしないでね。」と伝えました。
先生は、いつも私に安心感を与えてくれる方です。検査の数値がよくなっていることを、きちんと言葉にして伝えてくださいます。何でも言いやすい雰囲気で、とても信頼しています。
私には1日に2~3時間、週に2、3回ほど屋内ビーチボールバレーをする習慣があるのですが、先生には通常通りにスポーツをしていいかどうかお尋ねしました。また、お酒も多少嗜むので、飲酒についても質問しました。治療開始から2~3ヵ月は運動を控えるように言われましたが、検査の数値が少しよくなってからは運動はしたほうがいいということと、多少のお酒もかまわないですよという説明がありました。また、美容に関する質問をしたこともあります。
「くだらないことを聞いてもいいですか。」と前置きしながら、顔のシミ取りのような電気刺激を与える施術を受けても良いかお尋ねしました。少し恥ずかしかったですが、先生は気持ちよく「いいですよ、どんどんやってください。きれいになるのは良いことです。」と言ってくださって、大変ありがたかったです。
今の世代には馴染みがないかもしれませんが、フキダシリーフをはじめて見たときには交換日記みたいだなと思いました。フキダシリーフに思いを書いて提出すると、先生がそれに対して答えてくれるところが似ています。
先生と患者の関係性には、お互いの相性やそれぞれの性格などが影響すると思います。怖いわけではないけれど、なんだか少しそっけない先生には聞きたいことの3分の1も聞けないこともあるでしょう。また、先生を前にすると緊張してしまう方や、「良い患者でいたい」「カッコよく見られたい」という思いから、本当の気持ちや悩みを打ち明けにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。例えば、「便秘がちで困っている」「薬に対して不安がある」「年齢的な悩みがある」といったことを、口頭で話すのはためらってしまうことがあるかもしれません。そんなときは、声ではなく文字にすることで気持ちを伝えるハードルが下がります。
ラブレターではないですが、はじめから口で伝えるのは難しくても、手紙に書いて渡すことで会話に発展させられるのではないかと思います。フキダシリーフは、そんな患者と医師のコミュニケーションをそっと後押ししてくれるものだと思います。私は時々、皮膚のかゆみや全身のむくみといった症状を感じることがあります。これが薬の副作用なのか、水分不足が原因なのか、それとも年齢によるものなのか自分ではわからず、医師に相談するのも少しためらってしまいます。そのような少し聞きづらいと感じている悩みをフキダシリーフに書いて伝えようと思っています。
変な言い方ですが、CMLは神様が与えてくれた病気できっと何か意味があると思っています。だからこそ今まで治療も頑張ってきたし、そんな自分をみんなに見せて元気を与えたいと思っています。今回もそういう思いがあり、インタビューを受けました。
フキダシリーフは、先生と患者を繋げてくれます。同じ病気をもつ方々が、フキダシリーフで自分の思いを伝えながら、その人らしく日々を過ごしていただけると嬉しいです。