私のフキダシたいこと
Aさん
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フキダシプロジェクト CML患者さんの希望をフキダシに。
Aさん
海外勤務のさなかにCMLと診断され、治療を開始することになったAさん。治療開始からしばらくの間は、現地の医師とコミュニケーションをとりつつ、日本の患者会に参加してCMLについて情報収集されていたアクティブな方です。海外と日本での診療のちがいも紹介してくれました。断念することになった海外勤務への思いをフキダシていただきました。
Aさん(40歳代)
CML発症後年数:3年9ヵ月
(2024年10月取材)
CMLと診断されたのは、仕事で海外に赴任していた3年9ヵ月前です。診断のきっかけは人間ドックでした。白血球は基準値を少し超えるくらいでしたが、コレステロールや尿酸値が高く、年齢のせいかなと思いました。その後、運動量を増やして体重を落とし、再検査を受けました。すると、コレステロールや尿酸値は改善していたのですが、白血球はさらに増えていたため、病院を受診することになりました。
病院では、現地の医師からCMLである可能性と、CMLが薬を飲んで治療していく病気であることを聞きました。医師とは英語でコミュニケーションをとらなければならなかったので、専門的な用語も多く、理解するのが難しかったです。自分の理解が本当に合っているのか、懐疑的に思いながら帰宅した記憶があります。
「白血病」のイメージというと、歯茎から血が出て止まらなかったり、大きなあざができたりするイメージがありましたが、この前日には8km程度をランニングするほど元気でしたし、自覚症状がまったくなかったので、とても信じられませんでした。また、薬を飲んで治療していく病気であるというのも、それで本当に「白血病」が治るのだろうかと疑っていました。
その後、インターネットなどでいろいろ調べているうちに、CMLが「白血病」のうちの「慢性骨髄性白血病」であることが理解できました。会社の産業医の先生にも、どういう病気なのかを説明してもらいました。それで、薬で治療していく病気なのだということも確認でき、先生の説明と自分の理解とを答え合わせしながら、徐々に納得できるようになっていきました。
初回治療は、先生からその国でCML治療の主力だと聞かされた薬で開始しました。日本とは異なり、海外ではメールで医師とやり取りできたので、はじめのうちは頻繁に相談しました。副作用についてすぐに連絡をとることができ、「薬をいったん止めてください」「薬を少し減らしてください」などと指示をもらえて安心でした。
急遽、来院するよう言われたこともあり、ひどいときには週2、3回ほど通院したこともありました。その後、先生が懇意にしていた日本在住の専門医の先生にご相談くださったこともきっかけの一つとなり、1ヵ月半ほどで薬が切り替えられました。
治療開始から3ヵ月ほど経過したころ、CMLが原因で帰国することになりました。それまでには、日本のCML患者会にオンラインで1~2回ほど参加させてもらい、情報収集にも努めました。帰国後は、過去の検査データなどを持参して病院を受診しました。それ以降は、同じ薬で治療が続いています。
現在は、3ヵ月に1回ほどの頻度で通院しています。診察では、先生からその日に採血して調べた検査と、3ヵ月前の受診時に調べたIS値(International Scaleの略で、国際標準値のこと。治療効果の判定に用いられる)の結果が説明されます。私からは、その3ヵ月間の体調の変化があれば伝えるようにしています。
日本では、先生とのコミュニケーションで困難を感じたことはありませんが、伝え方は工夫しています。たとえば、背中に突然あざのようなものができたときには、写真を撮っておいて診察のときに見てもらったことがあります。
診察時間は無限にあるわけではなく、おそらく10~15分ほどだと思います。フキダシリーフは、忙しい先生方と患者がポイントを絞った会話をするための、良い機会を作ってくれるものだと感じています。海外赴任中に参加した患者会では、患者同士で悩みを打ち明ける機会がありました。その中で、副作用による脱毛に悩んでいた女性患者さんの話が印象に残っています。彼女が主治医に相談したところ、「治療のおかげで病気がコントロールできているのだから」という反応を受け、悩みが十分に受け止められなかったということでした。患者にはそれぞれ異なる悩みがあり、それを伝えることの大切さを改めて感じました。それぞれの患者に、さまざまな悩みがあると思います。患者に対して先生がどのような対応をしてくれるのかにもよりますが、それでもまずは伝えることが大切だと考えています。
私は、CMLが原因で海外勤務を断念して帰国することになってしまったので、やはり1日でも早く治して、海外でもう一度仕事がしたいと思っています。海外勤務のことは、これまで先生に話したことがないので、夢をかなえるためにも早く治療目標を達成して元気な状態に戻りたいとフキダシで伝えたいです。診断直後にフキダシプロジェクトに出会っていたなら、病気を治したいというよりも目の前の苦痛をやわらげたいという気持ちが強かったので、副作用をどうにかしてほしいという思いを書いて伝えていたと思います。
そういえば、いつも言いそびれてしまうことがあります。帰国したころからIS値が横ばいでずっと気になっていて、もしかしたら治療薬を変えたほうがいいのかもしれないなとモヤモヤしています。変えるならどのタイミングがいいのか、そもそも変えないほうがいいのかがわからず、本当は先生と相談したいと思っています。フキダシリーフにメモすると、伝えることを少し遠慮してしまっている自分を後押ししてくれることに役立ってくれそうです。自宅では、フキダシリーフと病院から渡される次回受診の予約表を一緒に置いてあります。フキダシリーフは言い忘れを防ぎ、患者と医師のコミュニケーションを助ける心強い存在だと思います。同じCML患者の皆さんにも、ぜひ活用してほしいです。