C.M.L.PROJECT
〜ちゃんと学んでリンクする〜 × QuizKnock
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QuizKnockと学ぶ「C.M.L. PROJECT〜ちゃんと学んでリンクする〜」
〜ちゃんと学んでリンクする〜 × QuizKnock
このプロジェクトでは、老若男女を問わず親しまれている“クイズ”を通して、多くの人たちにCMLについて正しく・楽しく理解していただく活動を推進しています。
クイズは、本プロジェクトの趣旨に共感・賛同いただいたCML患者・家族の会「いずみの会」や専門医、また、多方面で活躍されている伊沢拓司氏率いる知識集団QuizKnockとともに制作しました。このページの下部にクイズをご用意していますので、ぜひチャレンジしてみてください!
病気の実態が広く知られているとはいえず、誤解も多いCML。2021年11月25日に開催された「C.M.L.PROJECT~ちゃんと・学んで・リンクする~」のクイズ発表イベントで実際に患者さんからお話を伺うことで、見えてくることがありました。
田村さん CML患者・家族の会「いずみの会」代表。CML歴:約18年
土屋さん 会社員。CML歴:約14年
‐CMLと診断された時、何か自覚できる症状はあったのでしょうか。
田村さん:
今思えば、の話ですが、病気が判明するしばらく前からとても疲れやすく、寝汗がひどかったです。でもまだ若かったし、仕事が忙しいせいかな……という程度に考えていました。毎年の健診で白血球の数値が高いということで検査をして、CMLと確定診断されました。
土屋さん:
私も健康診断がきっかけです。実は、たまたま健診の1ヶ月ほど前に富士山に登ったんです。その際に、普段の山登りの疲れとは明らかに違う、尋常ではない疲れとむくみがありました。これは何か違うなと感じつつ、夏バテか運動不足かなと思っていました。
‐CMLだと診断されてからは、どのような治療を受けたのですか。治療を続ける中で大変だったことなども教えてください。
田村さん:
診断されたのが、ちょうど分子標的薬が発売されたばかりのタイミングだったので、薬を継続的に服用して治療をすることになりました。20年以上前は、骨髄移植をしなければ助からないという時代もありましたから、薬が開発されたタイミングで私は運が良かったのかもしれません。
‐入院などはしなかったのですか。
田村さん:
入院する人もなかにはいますが、通院で治療をする人がほとんどです。これにはいい面と悪い面があります。入院すればお医者さんや薬剤師さん、看護師さんと日々顔を合わせるので、ちょっとしたことでも相談することができます。通院治療だとそれができないため、孤独な治療生活を続けることになるんです。
‐通院のほうが、負担が少ないような気がしますが、自分の体調や状態をすぐに伝えられない、情報交換ができないというデメリットもあるんですね。
土屋さん:
私も、病気の初期の頃に、同じ病気を抱える人と話をしたかったなと今でも思います。通院治療は1週間ごと、3週間ごとなど定期的に行うのですが、次の治療までの間に血液検査の数値がすごく悪くなっちゃったらどうしよう、とずっと悩んでいました。そういうときに、患者会で情報交換できたらよかったなと思います。
‐一人で病気と向き合わなければならない孤独がつらいところですね。
‐CMLの治療は長期間にわたるそうですが、病気と向き合う上で支えになっているのはどんなことですか。
田村さん:
一番は家族ですね。妻は心配して、あちこちで病気に関する情報を集めてきてくれました。私自身より心配しているくらいで、ちょっと放っておいてほしいなという気持ちになったこともあります(笑)。患者会の皆さんにも支えられてきましたね。
土屋さん:
治療期間が長くなるのは最初からわかっていたので、家族と職場には話をしてサポートをしてもらいました。患者会の皆さんとの交流も、すごく支えになりました。
田村さん:
病気になったことのメリットのひとつが、わがままが通る、という点です(笑)。楽器がずっとほしかったのを我慢していたんですが、CMLになってから「楽器がほしいんだけど」と言ってみたら、高額なサックスの購入もすぐにOKが出ました。
‐好きな楽器を演奏する楽しみが、励みになりますね。
‐今回、クイズを通じてCMLについて広く知っていただくプロジェクトを始めるにあたって、これは伝えたいという思いがあればお聞かせください。
田村さん:
CMLでも働いていけるということは、お伝えしたいことのひとつです。はっきりとは言われませんが、休職が続くのではないか、もう長くないのではとイメージを持たれがちです。白血病患者全体に対して、収入の道を閉ざさないでいただきたいと思います。
土屋さん:
患者さんの家族や職場の人、医療従事者など周りの人たちに患者の気持ちが伝わるといいなと思います。周りの人も、直接患者さん本人には聞きにくいこともあると思うので。「がんばって働いているけど、ちょっと強がりを言っているときもあるんですよ」とか、「日々医療が進歩してもっと良い治療法が開発されるのを心待ちにしています」といった声が届くといいなと思いました。
‐患者さんの声も聞いて制作したCMLクイズ、田村さんや土屋さんから見てどうでしょうか。感想をぜひ教えてください。
田村さん:
CMLに限らず、がんや病気というネガティブなことを考えるのは、できれば避けたいものです。こういうクイズを通じて考えてみるというのは、面白い企画だなと思いました。最近では「患者中心の医療」といった言葉もよく聞きますが、やはり患者さんの本当の気持ちは、同じ体験をしないとわからないと思います。でも想像力を発揮すれば、患者さんの気持ちに寄り添うことはできるはずです。このクイズは、患者の気持ちを想像しながら作られているなと思いました。
土屋さん:
CMLを知らなかった方にも病気のことを知っていただき、近所や職場にこういう人がいるかもしれないなという気持ちが生まれたらいいなと思います。私たち患者自身も勉強していかなればいけないことがたくさんあると思いました。
‐今はインターネットですぐに情報を得られる時代ですが、だからこそ正しい情報を手に入れる力をつけることが大切です。CMLクイズは、まず正しく学び、そこから自分でいろいろなことを考えるきっかけになれるようにと作られました。こうしてCMLのことを知る人が増えることで、患者さんの励みになることを願っています。
厚生労働省「疾病、障害及び死因の統計分類」上で白血病は「悪性新生物(がん)」に分類されている(https://www.mhlw.go.jp/toukei/sippei/)。2023年の罹患数予測は14,700人[3]。
白血病は大きく急性(がん化した細胞が急速に増殖する)と慢性(がん化した細胞がゆっくりと増殖する)に分けられる。急性には「急性骨髄性白血病」や「急性リンパ性白血病」が、慢性には「慢性骨髄性白血病」といった種類がある[4]。
CMLの発症が多いのは50歳代で、やや男性に多い。成人における白血病全体の約20%を占める[7]。クイズ③(前問)の回答から、白血病は若い人がかかる病気のようにみえるが、幅広い世代で発症する。
CMLは何らかの原因(特定はされていない)により異常な遺伝子が生成されることで発症する病気であり、遺伝することはない。また、細菌やウイルスによる病気ではないため、他の人にうつることもない[8]。
健康診断に行ったら、偶然数値が異常だった、と見つかるケースが多い[9]。放置すると急性転化し症状が悪化することもあるため、早期に治療を開始することが大切である。
標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で利用できる治療であることが示され、一般的な患者さんに行われることが推奨される治療のことをいう。「最先端の治療」は、開発中の試験的な治療として、その効果や副作用などを調べる臨床試験で評価され、それまでの標準治療より優れていることが証明され推奨されれば、その治療が新たな「標準治療」となる。ただし、「標準治療」という言葉は、推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で使われることもあるので、どちらの意味で使われているか注意が必要。
アメリカ国立がん研究所:https://seer.cancer.gov/statfacts/html/cmyl.html
「Cortes JE, et al. J Clin Oncol. 2016;34:2333-2340.」
国立がん研究センター「がん統計予測」https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html
国立がん研究センター「がん情報サービス」https://ganjoho.jp/public/cancer/class_leukemia/index.html
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html#childhoodAYA
国立がん研究センター「がん情報サービス」https://ganjoho.jp/public/cancer/leukemia/index.html
国立がん研究センター「がん情報サービス」https://ganjoho.jp/public/cancer/CML/patients.html
ノバルティスファーマ株式会社「CMLステーションー遺伝・将来についてー」http://www.cmlstation.com/faq/faq05.html
国立がん研究センター「がん情報サービス」https://ganjoho.jp/public/cancer/CML/about.html
国立がん研究センター「がん情報サービス」https://ganjoho.jp/public/cancer/CML/treatment.html
ノバルティスファーマ実施患者さん座談会より
いずみの会会報第9号「CMLとともに~それぞれの想い~」2021年9月発行
国立がん研究センター「がん情報サービス」https://ganjoho.jp/public/cancer/CML/print.html
ノバルティスファーマ株式会社「CMLステーションーCML治療の変遷と展望―」http://www.cmlstation.com/transition/